最近「サブスクリプション」という言葉を非常によく聞くようになりました。
「サブスクリプションって定額でお金を支払ってサービスを利用する」ってことは何となくわかるけど・・・。
この記事では上記ような疑問を解決いたします。
サブスクリプションとはどういったもので、定額制のサービスとの違いやレンタルとの違い、メリットやデメリットについてわかりやすく説明したいと思います。
サブスクリプションとは
サブスクリプションを直訳すると「予約購読」や「定期購読」、「会費」と訳されます。
サブスクリプションとは「商品やサービス」に対してお金を支払うのではなく、企業が提供する「商品やサービスを一定期間利用できる権利」に対してお金を支払うビジネスモデルのことを指しています。
もともと「サブスクリプション」は17世紀のドイツで出版社が、お金を集めてから自社で出版する百科事典を製作・販売したことが「サブスクリプション」の発祥と言われています。
実は日本では古くから「サブスクリプション」は提供されており、代表的なものに新聞や牛乳などの配達サービスがあります。
サブスクリプションという言葉が広まった背景には、パソコンのソフトウェアの提供方式に「サブスクリプション方式」というものがあったため、ソフトウェアで提供されていた「サブスクリプション方式」を使って企業がサービスを展開し始めたのがよく言われている「サブスクリプション(=サブスク)」です。
定額制との違い
定額制とサブスクリプションは非常によく似ていますが、異なる点もあります。
私たちが普段利用している「定額制のサービス」と言えば、「携帯電話の通信」です。
携帯電話はスマートフォンの普及とともに、いまや生活の中でなくてはならない存在になりつつあります。
定額制のサービスで最も大切なことは、「いかに継続してお金を支払ってもらうか」が焦点にあります。
そのため、どうしても主導権が企業側にあることが多く、解約する場合は「違約金」や「解約金」という形で無駄な費用が私たち消費者に発生します。
一方で、サブスクリプションは基本的に「顧客第一」が中心の考え方をしますので、「必要なときに必要な分だけ」利用できればよいサービスを展開します。
もちろん「サブスクリプション」でも継続してもらうことは大切ですが、それ以上に顧客のニーズに合ったサービスを提供することに重きを置いています。
サブスクリプションでは顧客満足度を第一に考えて、顧客との関係性を良好にしてサービスの継続を促すため、サービスの料金が基本的に安いことや解約の手続きが煩わしくないことがあり、顧客に優しいです。
レンタルとの違い
レンタルとサブスクリプションも似ているように感じますが、少し違います。
サブスクリプションでは、モノやサービスに対して一定期間利用できる権利に対してお金を支払います。
それに対してレンタルでは、特定のモノやサービスを一定期間借りる権利に対してお金を支払います。
つまり、レンタルの場合は特定のモノを一定期間借りて、返却した時点で契約が終了となりますが、サブスクリプションの場合は一定の期間内であれば商品を交換することも可能です。
またレンタルの場合、一度返却して「もう一度借りたい!」場合は同じ金額が必要ですが、サブスクリプションの場合は定額制ですので、基本的に追加費用は掛かりません。(サービスによってはかかることもあります。)
「モノを借りる」という点では非常によく似ていますが、サブスクリプションのほうが顧客のニーズに対して柔軟に応えてくれることが多く、サービスの質も高い傾向にあるようです。
レンタルは単発、サブスクリプションは継続的にモノを借りることができる、と捉えておくとよいでしょう。
サブスクリプションのメリット
購入するにはハードルの高いモノでも試せる
サブスクリプションは月額の料金さえ払えばさまざまなモノやサービスを試すことができます。
1つのモノを購入する場合よりもサブスクリプションで提供されている金額のほうが安いことが多いので、大幅に初期費用を抑えることにつながります。
そのため、購入するとなるとハードルが高いものでもサブスクリプションでは取り扱い商品として提供されていることが多いです。
また、モノを購入する際には一度サブスクリプションで試した後で、その後購入するという手段も取ることが可能です。
特にモノを購入する際に失敗したくない人や高級なモノを試してみたいという人には、非常におすすめのサービスと言えるでしょう。
使いすぎがない
サブスクリプションは月額の料金以上に費用が掛かることはありませんので、使いすぎる可能性があるサービスの場合でも、支払い料金は常に一定の金額です。
そのため、知らない間に使いすぎていた、というリスクを避けることができます。
使いたいときに使えて簡単にやめられる
サブスクリプションは定額制と違い、多くの場合は解約手数料もないので簡単にやめることが可能です。
もちろん、サービスによって解約条件は異なりますが、いつでも好きなタイミングで料金を支払わなくてもいい状況にできることが大きいといえるでしょう。
モノを減らせる
サブスクリプションの期間中は提供されているサービスにもよりますが、多くの場合、利用期間中はモノを交換することが可能です。
そのため、シーズンごとにモノを変えたい場合や引っ越しや改装などを行う場合は非常に役立ちます。
商品を購入した場合は私たちの手元にモノが残ってしまいます。
しかし、サブスクリプションではモノを実際に購入せずに利用する権利に対してお金を支払いますので、家にあるものを減らすことにもつながります。
スマホ一台で申し込みが完了
サブスクリプションへ申し込む場合はスマートフォン一台で簡単に申し込みが完了します。
申し込みも解約もインターネットにつなげば非常に手軽に行うことが可能です。
さまざまなジャンルを試すことができる
映画などを映画館で観る場合にはある程度の費用が掛かります。
そのため、自分があまり興味のない分野の映画をあえて見よう、という気にはならないですよね?
しかし、サブスクリプションであれば提供されている映画は見放題ですので、普段は絶対に見ないような映画でも気軽に閲覧することが可能です。
サブスクリプションを契約することは、自分の興味や趣味を拡大することにもつながります。
プラスアルファのサービスが受けられることもある
提供されるサービスによってはモノやサービスの提供以外にも、プロのアドバイスを聞ける場合やサポートなども提供されているサービスもあります。
プロからのアドバイスなどは無料で受けられることもあり、サービスを契約している人しか恩恵を受けられませんので、非常に魅力を感じるかもしません。
サブスクリプションのデメリット
1つ1つは安いがたくさん加入すると負担が増える
サブスクリプションのサービスは1つ1つはそこまで高くありませんが複数加入すると、毎月の支払額が増えていきます。
そのため、普段からよく使用するサービスとあまり使わないサービスをしっかりと見極めて、どのサービスを利用するのかを考えていきましょう。
使用しない期間があっても料金は発生する
サブスクリプションは月額の料金を支払わないとサービスを利用できないので、継続的に使用するため料金を払い続ける必要があります。
そのため、たとえ使用しない期間があったとしても料金が発生してしまいます。
サービスを使用しない期間も料金が発生しますので、使用しない場合は停止するなどの措置が必要になります。
いつの間にかサービスに加入していることがある
入会キャンペーンなどで最初の1カ月や3カ月が無料となるサブスクリプションサービスもあります。
ただし、サービスを解約しない限り、そのままサービスに入会することになりますのでいつの間にかサービスに加入している場合もあります。
入会時から費用が掛かる場合はあまり関係のないデメリットですが、初月無料のサブスクリプションサービスに入会する場合は十分気を付けておきましょう。
倒産するとサービスが利用できなくなる
サブスクリプションを提供する企業が倒産した場合はサービスを利用できなくなります。
サブスクリプションのサービスは生活の一部となっている場合もありますので、サービスが利用できなくなることで生活への影響があるかもしれません。
サービスの中には使わない機能や興味のないサービスが含まれていることも
提供されているサービスの中には使用しない機能やあまり興味のないサービスが含まれていることもあります。
サブスクリプションの料金の中にはたとえ使わない機能やサービスであっても、料金の中に含まれておりますので、使わない機能やサービスがある場合は多少の損失は発生するかもしれません。
ただし、サブスクリプションは自分の興味のない分野を広げることができる機会を提供してくれていますので、一度体験してみるのもよいかもしれません。
サブスクリプションが流行る背景
サブスクリプションの市場は今後5年で約1.5倍に拡大するという予想が立てられています。
2018年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで、5,627億3,600万円であった。
2023年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで8,623億5,000万円を予測する。
参考:矢野経済研究所
サブスクリプションの市場がこれから拡大する理由としては「消費者のニーズに合っている」から、と言われています。
一昔前までは、圧倒的にモノが足りない状態でしたので、他社の製品よりも「性能が高い」や「軽い」、「画質がいい」などの理由でもモノは売れていきました。
モノを購入することが幸せの象徴とも言われ、モノを購入して所有することが一種の「ステータス」ともいえるでしょう。
しかし、モノがあふれるようになった現代では、モノを所有することに価値を見出す人が少なくなり、モノを利用すること価値を見出す人が多くなってきています。
例えば「車」。
車を所有することは一種のステータスともいえますが、今の若者は「車に関心がない」とよく言われています。
車の本来の目的と言えば「目的地にたどり着くこと」が本来の目的ですので、必要なときに必要な分だけ車に乗れることができれば十分と考えて、車は必要ないと考えている人が多いようです。
年間の保険料やメンテナンス代などを考えると、「所有すること自体が負担」となりかねません。
サブスクリプションであれば、月々一定の金額を支払う代わりに保険料やメンテナンス代などを考えなくてもよいので、必要なときに必要な分だけ使えるほうが便利だと考えられます。
そのため、モノが増えた現代では購入することよりも「利用することが幸せ」という考えに変化しています。
ユーザーからみると圧倒的にコスパがいい
サブスクリプションの場合、1カ月当たりの利用料金は正直言って提供されているモノやサービスを購入するよりも価格が安くなる傾向が強いです。
そのため圧倒的に「コスパがいい」状態を作り出すことができます。
1本の映画を映画館で観るよりも、月額料金を支払えば好きな時間に好きなだけ映画も視聴が可能なのでお得。
1曲をダウンロードするよりも、何万曲と聞き放題のほうがお得です。
サブスクリプションのほうが他と比べて圧倒的に魅力的に見せることができるので、サブスクリプションは今後も流行っていくことでしょう。
サブスクリプションはこんな人におすすめ
たくさん試したい人
サブスクリプションは月額費用を支払うだけでサービスを利用できますので、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
特にさまざまなモノやサービスをしっかり試して吟味してから購入したい・決定したい人にとっては非常におすすめです。
購入するハードルは高いと感じている人
最近では高額なモノやサービスのサブスクリプションもあり、「自分で購入するのは金銭的に難しい」場合でもサブスクリプションサービスが展開されている場合があります。
特にあまり使用機会のないものなどはサブスクリプションでも十分間に合ってしまうでしょう。
モノを増やしたくない人
モノを増やしたくない人にとってサブスクリプションは非常におすすめのサービスです。
サービスに加入すればモノが増え、サービスを停止すればモノが減りますのでいつでも自分のライフスタイルを確保できます。
手間を減らしたい人
インターネットやスマートフォンの普及により、サブスクリプションもスマホ一台で簡単に完結できます。
見たい作品があるから、レンタルショップへDVDを借りに行くことや服のコーディネートなども全てサブスクリプションのサービスで完結しますので手間がありません。
まとめ
今回はサブスクリプションとは何か、サブスクリプションを利用するメリットやデメリットについて詳しく解説いたしました。
サブスクリプションという言葉自体はあまり聞きなれない言葉かもしれません。
しかし、私たちは普段何気なくサブスクリプションを利用しています。
サブスクリプションは現代人の持つ価値観に非常にマッチしたサービスと言えるでしょう。
今現在、サブスクリプションを利用していない方で、これからサブスクリプションを利用する予定のある方はぜひとも参考にしてみてください。